尾洲屋羅紗店|広島・呉のオーダースーツ、洋服のリフォームショップ


by bisyuya
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その名も“ミューラーカットダウン”なるものでした

ちょっと前の話。

お客様お持ちのシルクハットを持ってきて頂きました。
以前お話を聞いた時に、是非一度見てみたいという図々しい私のお願いを聞いて下さり
わざわざお持ち頂いたのです。I様ありがとう御座います。


このシルクハット普通のシルクハットと違うのです。

何が!?

お客様曰く「シルクハットは高さがあり過ぎるので背を低くしてもらいました!」
そもそも帽子が心底好きなI様ゆえに思いつく大胆な発想なのですが、、、


シルクハットといえばこんな感じ↓
その名も“ミューラーカットダウン”なるものでした_b0081010_1814309.jpg

I様のシルクハットはこんな感じ、背を低くしています↓
その名も“ミューラーカットダウン”なるものでした_b0081010_1815476.jpg

と、ここで話は終わりません。

そもそも第一礼装用の格式高いシルクハットにもツバの長さやその巻き上がり具合、
背の高さ等に流行が見られたようですが、そんな理由で背を低くしたこの帽子には偶然にも
歴史の中で名を残し、ロンドンの洒落モノの間で大流行した事があったと知り興味を持ったわけです。


その名も“ミューラーカットダウン”


流行するに至るその理由もお洒落とは言え少々洒落が利き過ぎているお話なんです。
イギリスで起きた列車内強盗殺人の犯人が被害者のシルクハットと自分のハットを取り違えた
事に始まり、そのハットは背が高く人目につく事を考え、低くカットし逃走。
しかし現場に残された犯人のハットと共に動かぬ証拠となり犯人は捕まり絞首刑となる。

その低くカットしたシルクハットをファッションに敏感な人達が真似し流行したというわけ。
かつてこんな理由で流行したファッションって聞いた事ありませんよね、、、


知らずに低くしたシルクハットにそんな名前と歴史があったなんて!と驚くI様と私でした。
by bisyuya | 2010-12-17 16:46 | ◆お気に入り