尾洲屋羅紗店|広島・呉のオーダースーツ、洋服のリフォームショップ


by bisyuya
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ウール と ヘアー 比較。

 当店のようなスーツ屋が最も恩恵を受け、最もお客様にご提供させて頂いているものといえば、羊の毛 “ウール” であります。


 人間と羊、毛織物の歴史は大変古く紀元前2200年頃からと言われています。12世紀のスペインでは現在最も飼育されているメリノ種の羊が誕生、この羊を独占する事で当時のスペインは莫大な富を得たそうです。イギリスの産業革命を経て毛織物工業は飛躍的に進み、現在ではメリノ種はオーストラリアが最大の産出量を誇っています。


 一般的に言う“ウール”とは羊の毛であり、その他カシミヤ、キャメル、モヘアなどは獣毛で“ヘアー”として分類されます。最もポピュラーな羊毛に対し、産出量が少なく希少性の高い獣毛などはそれぞれの個性的な特徴があり、これらで織られた織物もまた魅力的というわけです。


繊細な服地が見せる滑らかな表面、肌触り、しっとりとした光沢感はここではお伝えできないのが残念ですが、是非店頭にて見て、触って頂きたいモノであります。オーダー服の魅力は自分にとって必要なモノを原料から吟味できる事です。いいオーダーが出来るために私どもスタッフがいます、楽しみましょう!!



というわけで、ここでは様々な数字からそれぞれの素材を比較してみたいと思います。


先ずは近年における世界の年間産出量からみてみましょう。
 
 ・羊毛(ウール) / 2,000,000 t 
 ・カシミヤ    /    25,000 t
 ・モヘア     /     5,000 t
 ・キャメル    /     2,000 t 


当然ながらウールがダントツですね。これでいくとウールに対するカシミヤの産出量はおよそ1%キャメルでおよそ0.1%程度です。 身近で一般的になっている様々なウール製品に対してカシミヤ、モヘア、キャメルなどがどれほど特別なモノか少し理解出来てきました。



次に価格を決める大きな基準になる糸の太さについて。

高級とされる毛は細い方が値段が高いというのが一般的ですね。
(*1ミクロン=0.001mmで1000分の1mm。)
下の比較でならヴィキューナがおよそ一番細い毛である事が分かります。

 ・羊毛(スーパー100’s)   / 18-19ミクロン
 ・キャメル            / 15-24ミクロン
 ・カシミヤ            / 12-16ミクロン
 ・ヴィキューナ         / 10-14ミクロン 


因みに繊細で滑らかな毛とは逆を行く武骨な表情を見せるツウィード生地に用いられるのがブラックフェイスなどに代表されるBRITISH WOOLたちでおよそ35-40ミクロンと太いですね。さらには人間の髪の毛は個人差がありますが70-100ミクロンなのでこれらがいかに繊細なものか理解できます。


ウール と ヘアー 比較。_b0081010_16564533.jpg
カシミヤ山羊



繊細な糸で織り上げた生地の表面はとっても滑らかで、優雅な光沢を有します。
カシミヤには独特のヌメリ感があり、キャメルには特有のふくらみ感があります。特別な存在感が違いを生む一着になります。

今月のマンスリーイベントではこれらの服地を尾洲屋がピックアップしご提案しております。
ウール と ヘアー 比較。_b0081010_17463212.jpg
Ermenegildo Zegna|cashmere




詳しくはホームページTOP→コチラをご覧下さい。



尾洲屋羅紗店 “BISYUYA”|→www.bisyuya.com|→Face book|広島県呉市中通2-5-3|TEL:0823-21-2671
by bisyuya | 2014-01-10 13:21