冬服のお仕立。
2018年 11月 05日
冬のスーツファブリックと言えば思い浮かべるフラノの服地。これに滲んだストライプが印象的なチョークストライプ。クラシックなモノは時代にとらわれず変わらない価値、魅力を持ち続けます。そんな服地には様々な物語があるものです。
お仕立頂いたお客様からコメントを頂きましたのでご紹介させて頂きます。
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以前サイズが合わなくなり処分したチョーク・ストライプ柄のスリー・ピース 、念願かないこのたびオーダーにてほぼ再現しました。純粋なチョーク柄を求めるならフラノのウルン(紡毛)がいいのですね。アドバイスありがとうござ います。
あえて「退路を断つ」ために(?)パンツはベルトレス&サスペンダー仕様 にしました。これでベルトは使えません。サスペンダーを使うつもりですが、その利点というと
1. 背筋がしゃんと伸びるような感覚になる。
2. ボタン留めにこだわりたいので、クリップ留めしか知らない人に優越感を感じられる。
3. サスペンダーのコレクションが増え(お金がかかる)、付け替えて楽しめ る。
なのですが、ベストの下にかくれて見えることがなく上記1~3は全くの自己満足ということになります。主張できるのは肩からチラっとのぞくときくらい 。上着の裏地にこだわったり、袖口を本切羽にするよりもはるかに認知度は低 いでしょう。それでもやると言うのは、背広が高級品でベストにサスペンダー が欠かせなかった古き良き時代を体験したい酔狂な人ですね。
さて酔狂は続きフラノはふくらみのある重い生地である上に、上着はチェン ジ・ポケット付き、ベストは襟とポケットのフラップ付き、パンツの後ろポケットにもフラップを付けました。色は重厚でマットな濃紺でインパクトの強いストライプが入っており、軽さと効率と従順を求める現代から逆行しております。
チョーク・ストライプのために生地を選んだのですが、このかすれ具合はた まらない味があります。よく見ると「しらたき」のよう。
で上着のネームをそれ風にしてみました。しらたきで思い浮かぶのはすき焼きで、コンビのベスト には「焼き豆腐」風のネームを入れました。これからの鍋の季節に着るという メッセージです。
尾 洲 屋 羅 紗 店
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by bisyuya
| 2018-11-05 21:29